朝礼挨拶・スピーチのネタおよび実例集

魚をうまく捕まえるのは新しい網だ

 

おはようございます。見渡すと、少々浮かぬ顔ばかりですが、私には今度の結果より諸君の気持ちの方が心配です。

 

慰めにもならないかもしれませんが、成績そのもはまあまあの線であったと思うし、全営業所中第六位というのはそう悪い結果ではないと考えております。元気を出していただきたい。

 

今週は結果の反省と検討のミーティング、来期計画の作成会議と続くわけですが、私なりに思うところをここで簡単に申しあげると、やはり消費者サイドの変化を捉え損なったのが最大の原因ではなかったのか。つまり、従来のやり方をそのまま継続して販売に当たったわけで、これは私の判断ミスであり、責任です。

 

この業界の競合は激化する一方ですし、消費者のニーズは多様化し、また急速に変化している。高齢化も急激に進んでいる。われわれを取り巻く、と言うより、われわれ自身がその中にある、こうした環境の変化、新しい状況に対応しないと、販売は伸びず、会社は生き残れないという結果になります。

 

先日、古い友人に久しぶりに会い、こんな話を聞かされました。彼は長くメルボルンに駐在しておったのですが、お隣ニュージーランドの先住民族、マオリ族の諺に「魚をうまく捕まえるのは新しい網だ。古い網は捨てられる」というのがあるそうです。時代の変化に適応して生きろ、という意味で、商社員である彼はこれを座右の銘としております。

 

思いますに、われわれは古い網を携えて漁に出た。消費者を魚に譬えるのはよくないことですが、諺に従えば、この網で魚を捕まえようとした。しかも、われわれは網がすでに古くなっていることに気付いていなかったわけです。

 

われわれは今、新しい網を準備しなくてはなりません。どのような網を選ぶか。どのような網でなければならないか。これが当面する課題です。ひとつ気分を改めて、網選びに取り組もうではありませんか。

 

来期は皆で大漁節を高らかに朗らかに歌いたい。そう願って今朝の話とします。

 

出典:即応できる朝礼スピーチ実例集