朝礼挨拶・スピーチのネタおよび実例集

豪傑・加藤清正には意外な管理能力があった

 

安土桃山時代から江戸時代初期にかけて活躍した肥後熊本初代藩主・加藤清正は、朝鮮出兵の際の「虎退治」の逸話で有名です。でも、いかにも豪傑らしいイメージとは違って、実は細かいところに気の付く優秀な管理職だったようです。

 

当時は貧しかった肥後で、治水事業や商業振興策を次々に打ち出し、名知事ばりの企画力で、やがて豊かな国土に仕立て上げた能力は、高く評価されています。

 

清正は領内に、本妙寺をはじめとする日蓮宗の寺を数多く創設しました。どの寺にも門前には桜、寺の裏庭には栗の木を植えるようにさせたため、家臣が「なぜ寺には必ず桜と栗を植えるのですか」と聞いたところ、次のような返事だったそうです。

 

「寺に参拝する人々が桜を見て楽しめば、心が豊かになる。裏に栗の木を植えたのは、いざというときに非常食や薪にするためだ。桜は花を楽しませ、栗は実をとる。こういう表と裏両面の心がけが必要なのだと私はおもう」

 

この答えを聞いて家臣は感心することしきりだったそうです。清正の合理的な考え方には、私たちも納得させられますね。

 

 

出典:1分で決める!朝礼の話材217