朝礼挨拶・スピーチのネタおよび実例集

「先入観なく物事を見る」ことが、考える力を飛躍させる

 

「天気の良い火に雨の用意を忘れず、雨降りにやがて晴れの日の準備をととのえる。常に、その裏に備えて最善を尽くすべき」というふうに、自分自身に言いきかせ、従業員にも説いた経営者がいます。ガソリン業界大手の出光興産の創業者、出光佐三です。うまくいっているときに慎重になり、うまくいかないときに将来のことを考えるのは、普通と逆ですが、これが事業を行う者の態度だと考えていたそうです。

 

出光は、これは自慢にならないかもしれないが…と前置きして、自分は本を読まなかった、読書には縁がなかった、と述べています。そのかわり、非常によくものを考えるようになった、と振り返っています。

 

つまり、学問上のことや理屈を頼りにするより、自分自身で熟考し、考え抜くことが大事だと言いたかったのでしょう。

 

与えられた知識としての先入観がない、ということは、それを良い方向に伸ばしていくと、大変な力になります。先入観がなかったからこそ、天気のよい日に雨の用意を、という言葉を実感として感じとることができるようになるのでしょう。また、雨の日が続いても、いつしか晴れてくるのだ、という粘りを手にすることができます。

 

 

出典:1分でまとめる気のきいた朝礼