朝礼挨拶・スピーチのネタおよび実例集

有言実行と身口意一致

 

「有言実行」という言葉がありますが、これは言行、つまり身と口の一致を意味します。「身口意一致」とは、さらに心の中、内面の意思をも一致させるということです。いかに言行が一致していようとも、その動機が利己的、反道徳的なものであっては価値がない。そこに「よき心が」が伴っているか。「まごころ」があるか。3つめの業、行為を一致させ、一貫させることがとても重要なんです。

 

「身」と「口」の不一致は、他人の目に見える形、つまり口ばかりでやらないなど、で顕在化するため、直接的に人間関係のトラブルや信用を失う原因となります。

 

一方、「意」は目に見えない潜在的な行為のため、「口」と一致しているか、つまり嘘かどうか、「身」と一致しているか、つまり心が無い形だけの行為かどうか、最初は直接的には相手に伝わらない。

 

しかしその場合でも不一致が継続すると、次第に人間関係の中で顕在化して結局はトラブルを引き起こしてしまいます。最初は一致不一致が分からないだけに、発覚した際にはトラブルの度合いが大きくなる恐れがあります。

 

さらに「意」が欠けて起こる不一致は、自分の意志で言語や行動をコントロールできないという、内面的なマイナス要因に直結してしまうこともあります。

 

自分の意思を放棄する。ありのままの自分を隠す、自分の本音を偽る。本心と違う言動を無理やり正当化する。つまり「意」との不一致が極端にエスカレートすると自負心や自己嫌悪、自己欺瞞などと結びついて自律神経失調症やうつなどの疾患に繋がってしまう危険性もあります。

 

「身口意一致」とは、人が人として、社会や人間関係の中で、正しく健全に生きるために非常に大切な原理原則なのです。

 

思ったこと、言ったこと、行うことを乖離させず、常に一致させる。これは簡単なようですごく難しい。

 

でも一致させるように、一致できるように努力することが重要なのです。そして、そうやって努力することが、人として生きる「礼儀」なのです。