朝礼挨拶・スピーチのネタおよび実例集

現在の好況を未来に繋げる努力も

 

おはようございます。月に一度の朝礼ですが、こうして皆さんの活力に接しますと、まことに心強く、また嬉しく思います。近ごろは気持ちに弾むものさえ覚えますのは、業界が好況にあり、皆さんの努力のおかげで会社も順調に業績を伸ばしておるからであります。私の閻魔面も恵比須顔に変じまして、どうやら孫娘も側に寄ってくるようになりました。

 

万事が好ましい展開をみせておるのでありますが、しかし、好調であればあるほど、かえってその先を心配してもみるというのが会社の経営というものでありまして、今押せ押せムードで外見はまことに華やかであり、マスコミに花形産業とおだてられても、石橋をたたき続ける企業は少なくありません。べつに目下の好況にたいして疑心暗鬼になっておるのではなくて、マネージメントというものは今日よりは明日を考えるものであり、会社の第一線にある皆さんもまたそうでなければ、会社は繁栄せず、永続もしないと私は考えております。

 

なぜ突然思いついたかのようにかような話を始めたのかと言いますと、今はまさに好機逸すべからずのときであり、業績を思い切り伸ばし得る条件にある以上はとことん延ばさなくてはなりませんが、また、好況の波に積極的に乗りながらも、波の強さ・方向をしっかりと把握しながら日々の業務に取り組んでほしいと願うからです。

 

いささか不得要領な話になっておるようですが、賢明な皆さんは私の言わんとするところを正しく理解してくれることと思います。

 

世間には、使われている者は上司の指図に従い、今日をそつなく勤めておりさえすればよいという考えもあるようですが、これは、たとえば担当業務のミーティングで、明日を目指す新しい考え・意見が出ないということであり、私は皆さんがかような勤め人であることを期待しておりません。それは会社にとっても皆さんにとってもプラスにならないからです。

 

やる気と言い、モラール―士気と言いますが、これは明日を見据えた実行の意志であると私は考えております。願ってもない好ましい状況である現在に全力で取り組み、成果を挙げ、成果を享受すると同時に、その現在に連なる続く未来にも意欲的に取り組み、成果の期待できる種を播く、苗を育てる努力もまた惜しまぬことこそ肝心です。皆さんが現在の好況を未来に繋げてくれることを心から望んでやみません。

 

朝から理屈っぽい話になりましたが、ますます溌剌と、力いっぱい励んでくれることを願って結びます。

 

出典:即応できる朝礼スピーチ実例集